社長としてやりたいたったひとつのこと
このたび、株式会社ユニフィニティーの社長兼CEOに就任しました曽良俊介です。
若輩者ではございますが、精進して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。今日は折角なので、これから社長として、またはCEOとして何をどのようにやっていくかということを書きます。
■どのような会社にするか?
社長は、会社にとって根本的な部分である「どのような会社にするか」を決め、協力者を集め、仕事自体を定義する仕事
CEOというのはそれを実現していく仕事
で、今般、その両方を担当させていただくことになったので、まずは「どのような会社にするか」と考えたわけですが、これはやはり、世界でも有数の、できれば世界で一番の、一流の会社にしたいなということに尽きます。
おいおい大きく出たな、という話なのですが、これまでの職業人生の中で掴むことができた多少のヒントもあり、そういったものを活かして最大のチャレンジをしたいというのが大きいです。
■自分のキャリア
少し自分語りをします。私の職業人生のスタートは、当時はまったく無名だったとあるネット系ベンチャー企業のインターンでした。同社はその後無料ISPの会社を買収。自社の社名をなぜかその買収した会社の方の名前に変えると、全然関係ない事業を始めたり他所の会社をたくさん買収したりしながら、株式市場に渦巻く欲望を糧にパンパンに膨れ上がったのですが、シャチョーがTVCMに出て回転しだしたあたりで日本の偉い人から厳重に注意され、そのままお星様になりました。
当時パンパンに膨れ上がった内部でいろいろな事件・事故・逸話があったような気もしますが、今日はそういった話ではありません。
言いたいことは、実は私が最初インターンとしてその会社に参加したのが2003年4月
ライブドアショックという名のお星様が株式市場の歴史に刻まれたのが2006年1月
つまりその間わずか3年足らずであり、そのたった3年足らずの間に従業員数でいうと数十名規模から数千名に、時価総額は数十億円から一兆円にまでなりました、ということです。
自分は単なるペーペーだったので何をしたわけでもないですが、あの超新星爆発みたいなものを間近で見れたことが大変貴重な経験であったことは言うまでもありません。たぶんですが、1兆円の企業を100年以内につくろうと思うと、いろいろ遠回りしながらあれもこれもと試してみたりすると思うんですが、3年なのでそういう暇もありません。最短距離を進む必要があります。最短距離を進むことで浮き彫りになる本質みたいなものってあるような気がします。そしてそれが、一流の会社・組織をつくるためのヒントになると考えています。
それは何かというと、まあ、言ってしまえば非常にシンプルというか、そりゃそうだろと言われてしまいそうですが、兎にも角にも一番大事なのは、目標を共有してその達成のために力を合わせるということではないかと思っています。
主観を抜きにして、当時のチームは、素晴らしいチームだったと思います。チームの全員が各々のやるべきことを理解して自律的に行動し、非常に高いスキルを各人が発揮しながら、かつそれらが見事に融和していました。既にご紹介の通り結果はお星様であり、残念なことこの上ないのですが、チームのパフォーマンスだけ切り取ってみればそれはまさに出色の出来であって、あれ以上の成果を出したチームというものを私は寡聞にして知らないです。
つまり、チームの力を最大化することこそが会社が成功するための鍵であって、当時の経験の中で、その具体的な方法論に、物凄いリアリティをもって触れることができた、と私は考えています。
■チーム力を最大化する3つのポイント
1.目標がわかりやすいこと
まず、目標がわかりやすくないと、そもそも浸透しません。そうすると、当然共有もなされません。結構、あれもやろうこれもやろう、社会に対してはこうしよう、とにかくみんなにいい顔しよう、と、とりわけ目標をみんなで考えるとなりがちですが、とにかくシンプルな目標を設定し、かつそれを何度も刷り込んだほうがよさそうです。
例えば、当時の目標は何を隠そう「時価総額ナンバーワン」でした。是非は一旦置いておいて、超わかりやすいですよね。
2.フィードバックが得やすいこと
次に目標に対する進捗についてフィードバックが得やすいことが大事だと思います。ドラクエって、必要な経験値がたまるとすぐにあのお馴染みの効果音とともにレベルアップが告げられますが、あのレベルアップの審査とかで必要な経験値を積んだ後さらに半年とかかかったら嫌ですよね。やっぱり設定した目標に向けて行動をしたら、それがどのくらい目標の達成に貢献したか、すぐに分かったほうが楽しいと思います。
例えば、「時価総額」は株取引によって毎日毎分毎秒変動するので指標として大変優れています。いい発表をするとすごく素直に、あっという間にフィードバックが返ってくるので、モチベーションを高く保つことができます。
3.個人の成功を後押しすること
あとは、やっぱりみんな個人としても成功したいじゃないですか。成果報酬が一番わかり易いと思いますが、会社の目標達成と個人の成功をリンクさせるための仕掛け、もっと言えば個人の成功とは何かという定義が必要だと思います。個人の成功を後押しするとやる気が増すというのもありますが、むしろチーム内に信頼関係が生まれるという効果が大きいと感じます。要するに隣の人が何のために働いているのかわからない、そんな状況だとなかなか社員同士が高いレベルで協力するというのは実現できないと思うのです。何が「成功」かを定めることで意思の疎通が格段にスムーズになります。
言わずもがなかもしれませんが、時価総額を決める最大の要素は利益。当時を思い起こすと、利益と報酬は完全にリンクしていました。
■これからやりたいこと
はい。ということで、ひとしきり褒めちぎりましたが、もちろん反面教師とすべき点もたくさんあります。たくさんあるんですが、その最たるものこそが、「時価総額」という目標設定自体だったのではないかと疑っています。
上で述べたとおり、わかりやすさ、フィードバックの得やすさの観点からは本当に素晴らしい目標だと思います。ただ、本質的な会社の価値とは違う理由で時価総額の上昇が起こり得る、もっと言えば、本来あるべきアプローチとは違う方法の方がむしろ簡単という点で、目標にもKPIにもあまり適していなかったのではないかと感じています。例えばですが、株式分割をすると子株還流までの間受給が崩れて株価が上がるみたいなTIPSが一時流行りました。ただ、そういう小手先のテクニックに走ることが会社の本質的な成長にとってプラスになるとは、あまり思えません。
このような学びと反省を受け、いま私が目標として考えているのが、顧客ロイヤルティです。指標化のところとフィードバック獲得の頻度に少し工夫が必要ですが、顧客ロイヤルティ調査のためのツールなどもかなり充実してきています。何よりも顧客や社会に貢献しているという実感を得られることは、個人単位での幸福の実現につながると思います。
「どのような会社にするか」という話に戻りますが、好かれる会社にしたいです。一番好かれる会社。
とりあえず極論をぶちあげて寄せられる賛否のうちの賛の部分みたいな話ではなく、価値が認められ、必要とされ、好かれるような会社にしていきたい、願わくばその度合でもって世界有数と言われるような、一流の会社にしたいと思っています。
そのために何をやっていくか。まずはやはりヒルズ移転と球団買収でしょうか。
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