仕事のモバイル化とはどういうことか?

社長ブログ

こんにちは。

株式会社ユニフィニティー代表のかつらです。

突然ですが、当社の事業は、世の中のいろいろな仕事をモバイル化していくことです。 

そのためにアプリを簡単に開発できる開発プラットフォームや、同プラットフォームを活用したモバイルインテグレーションなどを提供しています。 

今日は、仕事のモバイル化によってどのようなこと実現したいのかについて話をしたいと思います。

仕事とは何か 

さて、みなさんの眼の前には、いつも何らかの仕事があると思います。

食料を生産する仕事もありますし、流通させる仕事もあります。最終的に食料を消費者に対して販売する仕事もあります。すべてに共通するのは、すべては分業によってまかなわれており、ひとりでは完結できないということです。高度に複雑化した現代社会では生産から消費までの工程をひとりの人間が担当することは極めて稀で、あらゆる工程にはその工程の専門家がいます。専門家たちは高度なノウハウを駆使して、担当する工程の生産性を高めます。いろいろな専門家たちの仕事があわさって、社会全体として様々な、そして極めて複雑かつ高度な生産活動を行っています。

従って、私たちは通常、仕事を通じて社会と接点を持ちます。直接ではないケースが多いと思います。組織で仕事をする場合は、直接の接点はその組織のマネージャーになるためです。ただ、その組織が成果を上げている場合、必ずどこかで社会と接しています。

つまり、仕事というのは、社会の複雑な仕組みと人間のインターフェイスであるということです。 

仕事は、私たちにとって非常に重要なものです。個々の仕事が停滞すると社会全体の生産活動にも影響が出るという可能性もさることながら、アリストテレスが言うように人間は社会的な動物であるが故、私たちは専ら社会と接し、社会に貢献することで充足感を得ますので、仕事を失った私たちは、喪失感や無力感を味わうことになります。

近年サラリーマンの長時間労働が問題視されることが増えていますが、実は残業時間が60時間を超えると幸福度が上昇するという調査結果もあります。社会に貢献しているという感覚、もっと言えば、社会の中で自分は明確な位置づけをもっているという感覚は、私たちにとって極めて重要なものになっています。

仕事の問題点

ここで問題だなと思うのは、この仕事の二面性、つまり生産活動としての側面と社会に対しての自己表現の側面がごちゃ混ぜになりすぎている点です。

ほとんどすべての「仕事」は、あたかも自分は生産活動ですというような顔をして社会的な意義を訴えてきますが、その実大半の仕事は仕事のための仕事だと、私は思っています。1週間分の日記みたいな報告を誰かが上司にしているのをみんなで聞く作業とか、投資行動の責任の所在を曖昧にするために膨大な資料をみんなで読んで順番にハンコを押していく作業とか、よく考えたら生産でもなんでもないですよね。

私はそういう仕事がダメだと思っているわけではないです。そういう仕事があるというのはつまり、社会がそういうインターフェイスを持っているということであって、それは社会の寛容さです。

そんなに命がけの、マンモスを素手で倒すみたいな仕事ばかりではなくて、もう少しライトにできる仕事がないと、社会と関係性を持てない、社会から疎外される人が増えてしまいます。それは社会の安定性を損ないますし、不寛容です。だからそういうライトな仕事がたくさんあること自体は素晴らしいことだなと思っています。

ただ、忘れてはいけないのは、そうして作り出された仕事たちは、決して絶対的なものではないよということだと思うわけです。

仕事をしてない人間は無能だとか、生産性のない人間は不要だとか、社会の寛容さによって生かされている人ほど、他者に対して不寛容だったりします。そういうのはやめようよと思うのです。社会の寛容さは、私たちみんなで享受すべきなのであって、たまたま「仕事」というストーリーと相性が悪かったり、意味を見出せない人を排斥すべきではありません。

仕事は、私たちの人生に意味を与えてくれる素晴らしいものだと思いますが、その意味が巨大になりすぎることによって、ある種の暴力のように人を攻撃してきます。それによって不幸になる人がいる。それもかなりの数。問題ではないでしょうか?

生産は生産でとても大事なのですが、人生の意味というものはそれとは分離した別のところに存在した方がいいと思っています。とても大事なもの同士なので、ごちゃ混ぜは危険だと思うのです。

仕事のモバイル化

で、何をしたいかというと、仕事の生産的側面を、もっとラクにしたいということです。

ラクにすることで、意味を薄れさせていきたいと思っています。

モバイル化は、その手段です。

みなさんが大好きなスマートフォンのアプリをイメージしてください。スマホアプリの世界では、いつでもどこにいても、たった3回画面をタップするだけでそのとき一番欲しいものが購入できます。同じようなことが仕事でもできるようにしていきます。「仕事」を構造化したうえで究極まで単純化したうえでスマホアプリ上にデザインし、いつでもどこにいても極めて短時間で完結可能な小タスクに分解しきることを目指します。

目指すというか世の中すでにそういう方向になっていて、冒頭例に挙げたような週に何時間もかかる無駄な報告会も、ビジネスチャットでバーチャル会議をすれば帰りの電車内で完了するようになります。成果の定義を明確化して論点を絞っておけば、管理者は必要な情報にすぐにアクセスできるので、何ページもある報告書をいちいち読み込む必要はありません。

仕事のモバイル化とはつまり、私たち人間を、少なくとも生産活動のなかでは、単なる機能にする取り組みです。

私たちは、モバイル化された誰でもできる仕事を、誰でもできるようにこなすだけになるということです。

そういった社会を、人間がシステムに支配される社会だとして危ぶむ声もあるかもしれません。

ただ、意味を持ちすぎた仕事のための仕事から解放されることこそが、人類が次のステージに進む第一歩かなという気がするわけです。

ちょっと話を広げすぎた感じもしますが、ご興味お持ちいただけましたら、ぜひ応援よろしくお願いします。

著者情報

曽良 俊介

カツラです。社長とCEO。 twitterもフォローお願いします。 https://twitter.com/shunsukekatsura

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