バカと自由と働き方について
堀江さんとキングコングの西野さんが書いた「バカとつき合うな」という本がずいぶん売れているということなので週末に読んでみました。
自由になりましょう
確かに面白いなとは思いました。
誰かがバカだとかアホだとかそういう話では全然なくて、要するに既存の価値観や固定化された観念から解き放たれて、自由になりましょうという話なんですね。
人を縛り付けて固定化する価値観や観念を「バカ」と称しているわけです。
「我慢を美徳にしたがるバカ」とか。
いますよね。
共感できます。
で、最終的には自分のたちの中にも「バカ」はいるみたいにちょっとメタメッセージ化しつつ、さあ明日から自由な人生を生きようと、こうやるわけです。
読んで、なんかうおおってなる人が多いのもよくわかりますね。
シンプルで、共感しやすく、ビジョナリーなんです。
自由になるためには
さて、自由って、自分もすごく憧れていて、何かなって結構いつも考えているのですが、気を付けないといけないのは、例えば自由だーって叫びながら全裸で外を走り回ると結構すぐ捕まるんですよね。
気を付けないとと言うのは別に全裸で走り回ることではなくて、我々が自由と言うとき、大抵は当然の前提として、「社会の中で手にする自由」を指しているということです。
この前提は結構大事だと思います。
既存の価値観から解き放たれる「だけ」では変人として逮捕または隔離されるのが関の山。
あくまで社会の一員として、自由を「認められる」ことを目指す必要があります。
そうすると何をしなきゃいけないかというと、社会のことをまず知っている必要がありますし、さらに個人として価値を認められるには、他の”個”を確保した人との差別化をしなくてはいけません。
堀江さんは同著で、自分は凡人と言いつつ、誰でも「ひとつのことに1万時間をかければ『100人にひとり』くらいの能力は得られる」とし、さらにそれをいくつか組み合わせれば「日本にただひとり」レベルの人材になれると言っています。
実際そうだと思います。
ただ、1万時間って、簡単に、本当にさらっと書いてあるのですが、例えば1日の睡眠時間が6時間だったとしますよね。
月に10日徹夜したって60時間しか捻出できないわけです。
そのペースだと1万時間を満たすまで166か月かかります。
普通に仕事をしながらこれだけの勉強時間を捻出したら、結構尋常じゃない努力ですよね。
で、これだけの尋常じゃない努力をするには、たぶん努力をしていたんじゃ無理です。
より正確には、努力だと思いながら我慢してやってたらたぶん途中で挫折しますよね。
堀江さん、これに関してもすごくいいことをおっしゃるんですが、つまり、「未来からの逆算」なんかするんじゃないと。
そうじゃなくて、いま、実際に自分が感じている「欲」に正直に行動しろと。
目の前にあることを純粋に楽しむという動機、結局これが一番強いんですよね。
ですので、ここがスタートかなと思います。
即ち、努力を努力とも感じないほど楽しんでやれることを見つけること。
つまりは、自分自身になるということです。
これも結構大変なことですが。
自分のアイデンティティと社会との折り合いって、結構みんなついていなかったりするのではないでしょうか。
自由に向けた取り組み
ということで、「バカとつき合うな」。
自由を手にするというビジョンを、自由な感じのお二人がクリアに描いていて、人を動機づける力のある良い本だと思います。
ただ指南書ではないんですよね。
それもそうだとは思います。
1日20時間勉強しろとか、自我の発達のために乗り越えなければならない危機とか、そんな話を読んでもあんまり面白くないと思うので。
でも私はやっぱり、それなりの指南とかガイドも必要かなと思います。
私も事業をやっていて、この間も書きましたが、モバイル化を通じて人を自由にすることを目標にしています。
堀江さんも書いてましたが、人間をテクノロジーに置き換えるからこそ、逆に人間の居場所ができるんです。
たぶんいろいろな取り組みが必要で、働き方なんかもその一つです。
自由を手にするための議論が活発になって、いろいろな動きや流れとうまく連携していければいいなと思います。
まあそもそも自分が全然自由じゃないので、まずはそこからですが。