課題求めたのは快適に操作できるモバイルアプリ。低コストかつ迅速に開発を内製化したかった
――メーラーにワークフロー、VPNによるファイルサーバーへのアクセス、スケジューラなど、さまざまな業務をモバイルで行えるdDREAMS。例えばスケジューラは、出発地と目的地を登録すると、旅費・交通費計算を自動で行えます。
「モバイルのスケジューラを起点に、さまざまな機能が連動して動作しています。そう考えるとスケジューラは最も重要な機能。ただ、これをWebアプリとして開発しようとすると、UI的に限界がありました。
Webアプリにすると、操作時のヌルヌル感が出ないんです。モバイルアプリにすると、ピンチインで大きくしたり、タップしてすぐに予定を閲覧できたりと、描画速度が格段に速くなります。表示速度についてもこだわりがあったんですよね」
――モバイルアプリにこだわったのには、そんな理由がありました。そこで大手SI企業とパートナーシップを組んで、OSバージョンアップやUI改善に対応するチームを作ることに。
「ただ、そこにかかる開発コストが非常に高いこと、外部パートナーということもあって、現場の声を開発に速やかに反映できないことなどに、課題感を持っていました。
モバイルワークを活用した業務効率化と合わせて、『エンプロイーエクスペリエンス(EX、従業員満足度)』の向上も目指しているので、内製化してタイムリーな開発・改修ができる方法はないかと探していたんです」
導入 国産ならではの安心感や開発を内製化できる点が、Unifinity Platform®選定の決定打に
――そんななか、Unifinity Platform®と出会いますが、当初は、あまり大きな期待はしていませんでした。しかし・・・
「Unifinity Platform®に関しては、ノンプログラミングの開発基盤だと知ってから、私たちのようにプログラマーを多く抱えない組織に合っているのでは、と感じました。開発を内製化したい、というニーズにもマッチしていましたね。
最も大きかったのは、国産ツール特有の安心感でしょうか。海外の企業だと質疑応答に大変な時間を要したり、最終的にどこかに買収・吸収される可能性もあり、ツール自体がなくなってしまう恐れもあります。
導入後、ユニフィニティーさんには、開発に関するレクチャーやdDREAMSに沿った機能、利用者が求める新機能追加などに関して、丁寧なサポートをしていただきました。
また、開発現場に入って、ビジネス設計の手順や課題をヒヤリングしていただき、足りない機能の追加にも尽力いただきました。こうした手厚いサポートは国内企業ならではですよね」
――もうひとつ、Unifinity Platform®にした決め手がありました。ネイティブベースのアプリ開発プラットフォームより、ハイブリッドアプリ(※)などWeb技術をベースにしたもののほうが多いなか、ドコモ・システムズでは前者を求めていたからです。
※スマホ用アプリの形式の一種。ネイティブで動作するソフト「WebView」を使い、コンテンツ自体はWeb上のものを読み込む形の、モバイルアプリとWebアプリの特性を組み合わせたようなアプリ。開発にはAndroid JavaやObjective-C、Swiftなどのモバイルアプリ開発言語、HTML5やCSSJavaScriptなどのWeb開発言語を用いる
「Unifinity Platform®だとモバイルアプリを作れるため、私たちの実現したいことにぴったりでした。比較検討していた時期に、ちょうどAndroid OSのバージョンアップが行われ、他社ツールで開発したものには不具合が生じましたが、Unifinity Platform®だけは特に影響もなく動き続けたんですね。この耐性も大きな決め手になりました。
開発したアプリがマルチOSで利用できること。OSの違いもバージョンアップの影響も画面サイズの違いも、Unifinity Platform®が吸収してくれるのはありがたいです。一度開発したアプリをずっと活用できるぶん、アプリやOSのバージョン管理やライセンス管理もメンテナンスのためのコストもかからないので」
効果内製化で開発コスト40%削減。従業員・お客様の事業競争力も上がった
――Unifinity Platform®を活用したdDREAMS運用を始めて、今では開発コスト40%削減を実現。ちょっとした改修の際にかかっていた外注費も圧縮できているといいます。
「内製化によって、現場から上がってきた要望をアプリに速やかに反映できるようになり、従業員やお客様の事業競争力が上がった、という声も聞きます。弊社にとっても大きな優位性です。
外販契約数に関しても、2018年5月現在、ユーザー企業数は150社超まで広がり順調に展開中です。」
――ドコモグループ全体ではdDREAMSを活用し、旅費申請関連業務を52%削減、支払業務や文書管理などの業務委託コストは73%減、電子化による紙コスト削減96%という結果も出しています。
「今後はセキュリティ対策をさらに入念に行い、モバイルを活用したワークスタイルで業務効率化を進めていきたいです。そうすることで残業代を現在の4分の1にすることもできると思っています。 従業員やお客様ニーズをさらに吸い上げて、アプリに反映し、本当の意味での働き方改革を推進していきたいです」
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