工場統合の影響で生じたロスを取り戻すためにアプリを活用
項目を動的に変更できる点検アプリで想定以上の効果も

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日本高圧電気株式会社

  • ユーザー事例
業界:
電気機器製造業
利用規模:
~10人
  • kintone連携
  • ペーパーレス
  • 点検業務

日本高圧電気株式会社様は、工場統合の影響で生じてしまった2日間のロスをデジタルを活用した効率化によって取り戻すため、kintoneとUnifinityを活用した新たなシステムを導入されました。コミュニケーションの改善など、当初想定していた以上の効果も生じています。

【課題】
・工場統合の影響で開閉器の物流が変わり、2日程度のロスが生じてしまった
・紙の点検帳票の回付やデジタル化に余計な時間がかかっていた

【効果】
・デジタル化によって定期的な点検業務の工数を大幅削減
・画像の有効活用で社内のコミュニケーションが改善
・業務フローが整理されて、業務の平準化が進展

“工場統合によって生じた2日間のロスをデジタル化による効率化で取り戻そうと考えた”

-どのような業務でUnifinityをご利用いただいているのでしょうか?
当社は、全国の電力会社やJR、私鉄各社向けに各種配電用機器を提供する電気機器メーカーです。Unifinityのアプリは、当社製品のひとつである高圧開閉器のメンテナンス業務で利用しています。高圧開閉器とは、電力配電線の電路を開閉するための機器です。お客様に提供している高圧開閉器の一部をメンテナンスのために定期的に当社まで送っていただき、当社にて点検・修理をして返送するという業務を行っています。お客様からの送付予定の管理から、さまざまな種類のある開閉器の点検項目の管理、見積り作成のための点検結果登録など、業務に必要な機能を盛り込んだアプリを作成し今年の5月頃から運用しています。

-ありがとうございます。アプリ導入前はどのような課題があったか教えて下さい。
直接的なきっかけになったのは当社工場の統合です。統合の影響で開閉器の物流が変わり、それまでお客様から受け入れた開閉器の修理・点検を実施し返送するまでの工程をおよそ10営業日程度で行っていたものが、2日程度多くかかるようになってしまいました。この2日間がお客様にとってご迷惑になってしまう可能性があるため、何とか他の工程を効率化して2日間のロスを取り戻そうと考えた結果、今回のアプリ導入につながりました。

-もともとはどのような流れで業務を行っていたのでしょうか?
開閉器の点検項目は製品の種類によって細かく変わるので、まず対象の開閉器のパターンに応じたフォーマットを作成してA3の用紙に印刷します。紙に印をつけていくかたちで点検作業を実施し上長に渡すと、上長が内容を確認したうえで内容をエクセルに転記して営業部門に回付、営業部門が必要に応じて点検担当とも連絡を取りながら修理費用などにかかわる見積りを作成するという流れでした。特に内容をエクセルに転記したり、見積り作成に必要な情報を集めたりというところに1-2日を要していたため、デジタル化によって効率化できるのではと考えました。

“理想は点検項目を動的に変えられるアプリ。Unifinityの柔軟さで実現可能性を感じた”

-課題の解消に向けて具体的にはどのような検討をされたのでしょうか?
帳票の電子化ということだったので、まずは電子帳票作成サービスをいくつか検討しました。ただ、いずれのサービスもベースとなるエクセル帳票を取り込んでアプリを作成する趣旨のもので、当社の場合は点検のフォーマットが開閉器だけでも100種類以上とかなり多いので、それらすべてのひな型をまずエクセルで作成するということも、100種類以上のアプリを運用していくことも現実的ではないと感じました。

-Unifinityについてはどちらでお知りになったのでしょうか?
他業務でkintoneを導入していたこともあり、サイボウズの社員の方に当社の抱える課題を説明したうえでプラグインの活用について相談しました。理想は、アプリ自体はひとつにまとめたうえで製品の種類に応じて点検の項目などを動的に変えられるアプリで、説明を聞いたところUnifinityの柔軟さであればそれも実現可能という印象を受けたため、前向きに検討することになりました。

-アプリの導入について苦労した点を教えて下さい。
一番苦労したのは、これまで明確な業務フローが存在していなかったということです。もちろん各部署には作業の手順書やマニュアルのようなものはあって、それに従って実際に業務も流れているのですが、部門間のやり取りになると手順が曖昧だったり、人によってやり方が違ったりする部分があったので、まずはそうした部分の整理から始める必要がありました。業務フローがきちんと整理されていなかったため、いざアプリを作って使ってみるとやはりこうしてほしいというような要望が出て手戻りが発生するようなこともあり、開発に期間を要する一因になったと考えています。

 

“アプリでの写真撮影によって当初想定した以上に効率化が進んだ”

-実際にアプリを導入した感想をお聞かせください。
点検結果をアプリに直接打ち込むようになったので、エクセル転記のようなデジタル化のための手間がなくなったのはもちろんのこと、それ以外にもアプリでの写真撮影によって当初想定した以上に効率化が進んだ印象があります。具体的には、お客様から機器を受け入れた際や、点検時に修理必要箇所を発見した際などにアプリで写真を撮るようにしているのですが、これがお客様との認識の相違を解消したり見積りを作成したりする際に役立っています。以前は見積り作成の担当者が点検結果のシートを見ながら、詳細が分からない部分を点検の担当者に対して電話などで確認する場面がよくありましたが、写真を見た方が早いというケースは多いのでかなりの効率化になっています。

-業務工程2日短縮という当初の目標は達成されましたでしょうか?
点検を実施後、デジタル化のための手間などもないため即見積りの作業に入ることができていますし、上述の通り見積もり作業自体の効率もかなり上がっています。ただ、2日短縮の目標を達成するためには、やはり業務フロー自体の見直しも不可欠であると思っています。そういう意味では、アプリ開発のプロセスの中で現在の業務フローをしっかりと明確化することはできたので、それをもとに改善を続けることで必ず達成できると考えています。

-最後に今後の展望について教えて下さい。
まず今回のアプリは特定のお客様との間のやり取りに焦点を合わせたつくりになっているため、これをより一般化して全顧客に広げるというのが次にやることだと考えています。そのうえで、当社にはまだまだ紙で行っている作業が多く、今回の経験を活かしそうした業務のデジタル化に取り組んでいきたいです。中には1,000種類の以上の帳票フォーマットを利用する業務もあるのでなかなか大変ですが、Unifinityはかなり柔軟な設計が可能であることは今回よくわかったので、大丈夫だと思っています。

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